凡人サラリーマンの幸福論

30代の凡人サラリーマンが幸福について考える

スーツを捨てて

昨日は休日だったので、スーツを2着捨てました。

5年ほど前にオーダーしたものです。

 

当時は、とにかくスーツにのめりこみました。

大正から昭和初期にかけてのスーツスタイルに憧れたんです。

 

無地のグレースーツに黒のネクタイ。

大きめのシルエットは大人のゆとり。

たばこに火をつけ、空を見やる。

 

レイモンド・チャンドラーの小説か。

はたまた小津安二郎の映画か。

 

基本の型に沿いながらも、納得のいくものを身につけたい。

手本を意識しつつ、洗練を目指す。

そんな魅力がスーツにあったんだと思います。

 

3ピースはもちろん、ハットに眼鏡に、いろいろやりました。

ベルトの代わりは、もちろんサスペンダー。

あげくの果ては、ツイードのハンチングスタイルにボウタイで。笑

小津安二郎ではなさそうですね。)

 

グローブ・トロッターのスーツケースは買う寸前でやめました。

 

品が揃うと、細めの体系が気になり始めるんです。

胸板が厚いほうが見栄えがよくなるんじゃないか。

 

それから1年間、食事を増やしてトレーニング。

体重が10キロ増えました。

プロテインって案外美味しいですね。

 

やりだすと、突き進むところがあるのかな。

満足いくところまでやりきりました。

 

あれから5年。

すっかり通常運転に戻ると、当時のスーツが合いません。

 

捨てることにしました。

少し迷ったけど。

 

クローゼットに空きはあるけど、もういいや。

何年も着なかったし。

 

今、同じ金額を支払って買いたいか。買いません。

 

スーツが2着なくなると、クローゼットに余白ができてすっきり。

 

ついでに、値がつきそうなジャケットと帽子は古着屋で売りました。

 

服を探すとき、要らないものが目に入ると、思考が鈍るんです。

選ぶのに時間がかかるというか。

 

スティーブ・ジョブズは1日の判断を減らすために、

毎日同じ服を着たそうです。

 

一般家庭なら、炊事、洗濯、皿洗いに衣替えもありますよね。

衣装ケースをひっくり返して、あれどこやったっけ。

 

ものが減れば、やるべきことが捗るし、やることも減ります。

空いた時間が人生のゆとりになる気がします。

 

最近、ものを減らし始めて気がつきました。

 

スーツを脱ぎ捨てた僕は、どこに向かうやら。

脱皮したセミのように大空を羽ばたければいいんですけど。