軸のある恋愛
友人の恋愛観にはっとさせられました。
彼は今、結婚して子供も授かり、家を建てています。
20代の頃は、彼と住む場所も近かったので、休日にたまに二人で食事に行ったり、買い物をしていました。
当時は互いに恋人がいなかったので、よく可愛い恋人が欲しいという話をしていました。
ある日、彼から電話があり、嬉しそうに言うんです。
マッチングアプリという良いものがある。
可愛い女の子がいれば、「いいね」(相手に自分が興味をもったことを示すアクション)を送るだけだ。
自分から送れる「いいね」の数は限られているが、課金すれば、また「いいね」を送れるんだ。
合コンに行くよりも、よほど効率的だよ。
当時は、今ほどマッチングアプリの認知度が高くなかったので、僕も本当に出会えるのか半信半疑でした。
それからは、いつになく頻繁に電話をくれました。
今日はどんな女の子とマッチングした。
ペットが好きな子で、顔は女優の誰々に似ている。
最初は、とにかく嬉しそうに恋活に励んでいました。
電話越しでも、彼の喜ぶ顔が手に取るように分かり、僕もやってみようかなと前向きな気持ちになりつつありました。
彼の恋活が始まってしばらくすると、嬉しい報告なかりではなくなりました。
女の子と会ったけど、2回目の誘いに返事がない。
食事の会計をして外に出ると、女の子がいなかった。
たまに感情的になることもあり、どうやって声をかけたらいいか分からないときもありました。
マッチングアプリというのは、何枚かの顔写真やプロフィールで相手を判断して、互いに気に入ればチャットを重ねて、実際に会うというのが一般的な流れです。
アプリはネット上のサービスなので、手軽に始められることもあり、会員数は多いですが、人気会員に「いいね」が集中しやすい傾向があります。
もし仮にマッチングしたとしても、マッチングしてから初めてチャットを開始できる仕組みなので、チャットが盛り上がらなければ、デートに誘うところにすら漕ぎつけられない場合があります。
このため、いかに多くの会員に「いいね」を送ってマッチングし、同時並行で複数人とやりとりしつつ、実際に会って仲を深められるか。
この行動力が肝になるわけです。
当然ですが、ある程度魅力的な会員でなければ、複数人とマッチングすることが叶いません。
彼の場合、何人かとマッチングをするだけでも魅力的な証なのですが、実際に会ってからその先に進むという第二のハードルに悪戦苦闘していたんです。
彼から嬉しい知らせが届いたのは、彼がアプリを始めて1年以上経った頃だったと思います。
2回目の約束を取り付けた後、2回目のデートで即座に告白をし、受け容れてもらえたそうです。
それから結婚まではとんとん拍子でした。
僕も彼の影響でマッチングアプリを始めていたのですが、なかなかうまくいかなかったときに、恋人ができた彼が言ったんです。
ちゃんと課金して「いいね」を送っているか。
もしかして、お金を渋っていないか。
お金を払って「いいね」を送るだけで、自分の気に入った女の子を恋人にできるチャンスが手に入る。
今の恋人に出会うまでに数十万円を課金したが、高いと思ったことはない。
自分はこれまでの人生で、何人かとデートして食事もした。
全てうまくいかなかったが、彼女だけが僕を受け容れてくれた。
だから、彼女との交際に迷いはない。
君は、いつまでも若くない。
もし君に何度かデートに来てくれる人がいるのなら、その人を大切にしたほうがいい。
彼には、恋活において譲れない軸があったそうです。
〇顔が可愛いこと
〇自分を受け容れてくれること
実にシンプルで、筋が通っていました。
僕は、今でも何かに悩んだとき、彼の言葉を思い返すことがあります。
自分は今、何をしたいのか。
そのために、今やるべきことは何か。
そして、今やらなくてもいいことは何か。
軸を定めたら、それを貫くために余計なものは捨てる。
恋愛を通じて、人生の核心に触れたような気がします。
そういえば最近、家でリフレッシュして心地よく過ごすために、乾燥機付き洗濯機を買いました。
洗濯物を干したり、取り込んだり。
好きでもないことはやりたくないので。
店員から温水洗浄できる高機能モデルを勧められましたが、断りました。
洗濯して乾燥できれば十分なので。