凡人サラリーマンの幸福論

30代の凡人サラリーマンが幸福について考える

環境を変えてみること

会社で働きはじめると、何だか馴染めず、辛くて辞めたくなる場合があると思います。

 

今回は、同じ会社でも異動によって環境を変えるだけで、状況が好転する場合がある

ということについて、体験談を交えて話します。

 

サラリーマンとして働きはじめて10年近く経ちます。

 

僕がこの会社を選んだのは、クビになりにくいからです。

会社といっても、実は公務員です。

 

大学在学中から卒後すぐに公務員試験を受けることを決意していましたし、

民間企業の入社試験はひとつもエントリーしませんでした。

 

僕には「会社」というものに対して固定観念があったんです。

活発なコミュニケーションスキルと要領の良さがなくては、苦労する。

気の利いた会話で上司と顧客の好意をつかみ、いい評価を得られなければクビになる。

 

もちろん、会社と一口に言ってもいろいろあるし、フリーランスで生計を立ててる人もいます。

今となっては、それを理解しています。

 

僕は、世の中の多くの人たちと少し違うことを、昔から何となく感じていました。

 

人といると疲れが溜まりやすく、一人でいるほうが楽でした。

 

冗談を言われても気の利いた返しが難しいので、嫌われる前に自分から人と距離をとるようになりました。

 

授業のように教室に自分の定位置があればいいですが、文化祭のように自由行動となると、何をしたらいいか分かりませんでしたね。

トイレでゲームをしたり、門番の先生の目を盗んで自宅に帰って、夕方に戻ってきたこともあります。

 

幼少期から少し絵が得意だったので、同級生やその親からは「その道で食べていきなよ」と言われたこともありました。

 

でも、家に帰れば、親から「勉強して、いい大学に入れば選択肢が広がる」と言われ続けたこともあり、現実的にはサラリーマンになるしかないと思っていました。

 

大学に入学した後は、真面目に試験対策をすれば公務員試験に合格できると思っていたので、とりあえずクビにならない安定した職場を求めたんです。

 

晴れて公務員試験に合格し、一年目。

会社でも敬遠されがちな忙しい部署に配属されました。

 

毎日深夜まで残業する以上に、なぜそんなことができないのかと呆れられることが精神的に負担でした。

 

とにかく考えても分からず、かといって締切を過ぎるのはまずいので、人に聞くんです。

 

最初は優しく教えてくれる人も、だんだんしびれを切らすように早口になっていく。

 

そうすると、さらに理解がしづらくなって、どうしようもなく焦る日々でした。

 

深夜一人残る職場で、周りに誰もいないことを確認してから、泣いたこともありました。

 

当時は辞職するしかないと考えていました。

これ以上、会社に迷惑はかけられない。

転職ではなく、辞職です。

 

民間企業だけでなく、公務員でも対人スキルと要領の良さがないと厳しかったですね。

 

考えてみると当たり前ですが、サラリーマンとして働く以上、得意なことばかりやるわけにはいきません。

 

いろんな人と調整しながら、同時並行で複数の仕事を進める必要があるわけです。

 

親の猛烈な引き留めもあり、2年間は苛烈な環境に耐え抜きました。

 

そしていくつかの部署を経験し、今です。

4月からまた新たな部署で勤務していますが、これまでで一番働きやすいところです。

 

会議録を作成したり、前年どおりに進める仕事など、僕には苦にならない仕事の割合が多く、何とかやっています。

 

僕のいる会社では、毎年、勤務に関する希望調査を行っています。

 

職員の数が多いので、全て希望どおりに異動できるわけではありませんが、一定の場合には希望を聞いてもらえるようです。

 

これまでは、どんな部署に行っても苦労すると諦めていたので、適当に回答していました。

 

ですが昨年の調査では、初めて正直に自分の性質を書いてみたんです。

 

こういう仕事をしたいというよりも、

こういうことは苦手だが、こういうことは他人から評価されたことがある、こういうことは苦にならない

という書き方をしたんです。

 

僕の場合、ヤフー知恵袋の回答や、祝辞(会社の偉い方が対外的に発信する祝いのメッセージ)の文案、会議録の出来について、何度か評価されたことがあります。

 

人の気持ちを考えながら文章を起こすことは、あまり負担にならずにこなせるな。

自覚も少しあったんです。

 

調査の回答を考慮してもらったのかは分かりませんが、結果的に4月から働きやすい部署に異動することができました。

 

あくまで僕の経験ですが、もし今の職場が辛くて転職を考えている方がいるとすれば、

もう一つの選択肢として、会社に自分の性質を知ってもらった上で、異動を希望するという考え方もあるかもしれません。

 

ハードな環境に身を置いていると、いろいろな選択肢を吟味する余裕が少なくなってしまうと思います。

 

辛い環境から逃げだすこと。

これは自分を守るために必要だと思います。

 

辛いならまず、仕事を休んで考えられる時間をつくってみてはどうでしょうか。

 

その上で、やりたい仕事がほかにあれば、転職も検討してみてはどうでしょう。

 

もしくは、同じ会社でも異動によって周りの人間関係が一新されると、違う環境に身を置ける可能性もあります。

 

新しい部署では、これまでの自分が嘘のように働きやすくなるかもしれません。

 

僕は今、会社にいるとき、自責の念よりも、自分に合う環境にいられることへの安堵が大きいです。

 

会社で辛い思いをしている方に、何かの参考になれば幸いです。